読みかけの本のメモ②

一日中寒い日でした。

朝なんてうっすらとですが雪が積もって

おりました。

こりゃー、路面が凍っているんでは・・・。

と心配でしたが、雪溶かしの作業は

何とかせずに済みました。 よかった。

今週末にかけてさらに雪が降る予報みたいです。

みさなま、車の運転にお気を付け下さい。

もちろん歩く時の足元にも。

さてさて昨日はすみませんでした。

一日間が空いてしまいました。

今日も社長にはブログをお願いして

あったものの書いてもらえなかったようなので、

明日こそはともう一度お願いしておきました。

 

そんな間が空いてしまった本日のブログは

おとといの(前回のブログの時の)読みかけの

食物アレルギーに関する本のメモ的なもの

となりますので、あんまり興味がないなぁ

という向きの方にはつまらない内容に

なってしまっていますが、どうかお許しを。

本日も自分には内容がとっても濃いめの

為、1章分ですがよろしければおつきあいください。

 

本日のメモは 食物アレルギーの治療 についてです。

 

1. 食物アレルギーの治療 の考え方

アレルギーの治療は原則アレルゲンの除去となります。

ですがアレルゲンが食物である時は

ただ除去するだけでいいかというと、

必要な栄養が取れなくなっては困るので、

その欠けてしまう栄養を補う食品(代替物)

を摂取する必要があります。

しかしその治療の目的(食物アレルゲンの除去)は

除去し続けることではなく、あくまでも後々に

症状を起こさずに食べれるようになることである

という点が重要になってきます。

ですので素人判断で親が、

この子は卵がダメみたいだから

(同じ系統っぽい)鶏肉もやめておいた方が

いいのかも・・・、と鶏肉をも除去してみたり、

牛肉がダメみたいだからと豚肉も鶏肉も

食べないでおこうとか考えて実行すると

のちのちその子が小学校に上がるときなどに

学校に出す診断書を書いてもらうときになって

病院で検査を受けるととんでもなくいろいろな

食物に対して過敏になっていたりすることがわかったり、

あるとき小学校の給食を食べたときに、

重篤な即時型反応を起こして救急車で

搬送されてしまったりするということが

多くみられるそうなのです。

何よりアレルギーに苦しむ本人だけが

食べられないものがいくつもあるというのは

とても苦痛なことであるはずです。

(QOL=生活の質 の低下が深刻)

大抵の子供の食物アレルギーは必要最低限の

食物アレルゲンの除去と適切な治療

で成長するにつれ問題がなくなっていく

そうなのです。

というのも消化能力や腸管の免疫システムが

発達してくるので問題のある食物が

抗原性を持ったまま吸収されていくことが

無くなっていくためです。 

これは特に食物アレルギーが原因で起こる

アトピー性皮膚炎の患者さんによくあてはまるそうです。

以上のことから逆に大きくなってからだと、

食物アレルゲンが原因でおこるアトピー性皮膚炎

というものはまずないとのことです。

 

食物アレルギーに悩む子供の中で

即時型反応を過去に起こしたことがある

患者さんでは小学生になるというときになっても

まだ治りきらずに即時型反応を起こして

しまうような人もいます。

そのような患者さんは対処できるように

自分でも周りもその術を知っておかなくてはなりません。

そういうタイプの人はアレルゲンを口にしたとたんに

大半が口腔内違和感を覚えるのだそうです。

これはアレルゲンを飲み込んでしまうことで

より症状が重篤になるのを自然と防いでいる

反応なので、何よりもまずその食品を

口から出すということが大切になります。

その時に「かゆい」「気持ちが悪い」「痛い」

などという表現をしますが人によっては

「きらい」というのだそうです。

ですのでただ単に好き嫌いで食べれないのだ

と考えてしまうのでは、違うということなのです。

周りがよく理解してあげることが重要になります。

現在は食物アレルギーに対する認知が

高まってきていることから、学校・地域単位での

取り組みがなされてきていることが多いので、

食物アレルギー児が暮らしやすい環境が

できつつあるといえます。

 

食物アレルギーの薬物治療というと、

食物アレルギーの関与したアトピー性皮膚炎と

診断された時だけ保険適用となる

経口インタールという、腸管の塗り薬のような

役割を果たすお薬が使われます。

このお薬は即時型反応を起こす人向き

ではないのでそういう患者さんの

即時型反応には効き目があまりありませんし、

したがって保険適用とはなりません。

腸の免疫システムが未発達の小さいお子様には

非常に効果が期待できる場合があります。

 

2. 治療の基本

食物アレルギーの治療法には大きく分けて、

①食品除去を中心にした食事療法

②出てしまった症状に薬物で対処する対症療法

があります。

食品の除去を行うときには、治療対象者が

乳幼児であることが多いのですがその場合は、

成長期にあたるため栄養を代替食品で補えるように

してあげなくてはなりません。

これは卵アレルギーの場合ですと、

たんぱく質源なので、他の動物性たんぱく質

や植物性たんぱく質を組み合わせて補うようにします。

牛乳ですとタンパク源としてのみならず

重要なカルシウム源でもありますので、

普通の牛乳が飲めない場合は

牛乳アレルゲン除去調製粉乳(アレルギー用ミルク)

を用意してあげます。

赤ちゃんの場合は次々に食物アレルゲンが

増えないように、離乳食の進め方に

注意が必要ですが離乳食を始めるのを

遅らせる必要はありません。 

ですのでアレルギー専門の小児科医に早めに

診断してもらい定期的な通院が必要で大切です。

 

食事療法には3つのポイントがあります。

① 食材として用いない(除去食)

② 調理して低アレルゲン化させる

③ 低アレルゲン化食品を用いる

 

②ですが加熱調理によりアレルゲンとなっている

たんぱく質を変性させるとか凝固させて

消化吸収しにくくするということです。

ただし食材によって低アレルゲン化させる方法が

異なりますし、できても一緒に用いる

副材料によってもどの程度

低アレルゲン化させられるのかも

違います。

③については牛乳のように代替食品が

どうしても必要となる場合と、

家庭の調理では低アレルゲン化できない

場合に限り利用することが望ましいです。

醤油・味噌のように発酵食品ですと

その過程でたんぱく質が分解されていて

抗原性をほとんど持たなくなっているものも

あります。

 

乳児期の食物アレルギーは卵がアレルゲンで

アトピー性皮膚炎になるというパターンが非常に多いです。

そういう患者さんはその後牛乳アレルギー・小麦アレルギー

と続いていくことも少なくないそうです。

新たな食物アレルギーがどのようにして起こるのかを

調査したところほとんどが一歳までに食物アレルギーに

かかり始めていました。

ですのでこのタイプの赤ちゃんですとすぐに診断してもらい

離乳食の進め方に気を付ける必要があります。

これはアレルゲンになりにくいものから食べさせるということです。

小麦は栄養的には食べなくても何ら影響はないので、

できるだけ離乳食の時に小麦粉が主食のものを

開始するのを遅らせることが重要です。

また調味料の使用を遅らせるために、

出汁を自分で鰹節と昆布からしっかりと

引くことが有効です。

これで大豆アレルギーになりにくくしていきます。

アレルギー専門医による正しい診断と指導を受ける

lことで食品除去の解除の適切な時期を見極めていきます。

そして食品の除去の必要な程度は個人差が大きいことと

同じ食品でも調理法によって摂取できる場合が色々あるので

受診時には食物日誌を見せて具体的な指導を

受けることが大切なのです。

場合によっては薬物療法を併用していくことも

あります。

 

3. 三大アレルゲンを使わない献立を可能にするのは

普通の家庭料理において。

野菜 ― 煮物(昆布・干しシイタケ・鰹節で出汁をとること)

魚 ― お作り・煮魚・塩焼き・から揚げ(片栗粉で衣を代用)

     加熱した魚卵はほとんどの場合アレルゲンになりません。

肉 ― 焼く・煮込む

     挽肉料理のつなぎに卵を用いなくとも調理は可能。

     (片栗粉で代用)また 野菜詰めにするものよい。

 

和風料理のみならず、洋風・中華料理共に

これら三大アレルゲンを用いないでできる

メニューがたくさんあるので、今風にアレンジして

インスタント調味料を使わずに基本通りに作ること。

コンソメスープは灰汁を取る際に卵白を用いますが

家庭では浮いた灰汁を取ることで十分つくることが

できます。

天ぷら ・・・ 衣に通常卵を使いますが塩と

         小麦粉(小麦アレルギーでない場合)

         氷水で代用できます。

         小麦アレルギーの時は片栗粉を

         使います。

ハンバーグ ・・・ 牛肉の赤みの挽肉を炒めて、

           玉ねぎと塩を合わせてよく練ります。

           こうすればつなぎに卵は要りません。

牛乳を代替するきにだけアレルギー用食品が必要であるといえます。

アレルギー用ミルクはアレルゲンとなる乳タンパク質を分解してできる

低分子ペプチドもしくはアミノ酸乳という独特のにおいと苦みとがあります。

どうしても風味のために飲めないときは、牛挽肉に混ぜる、味噌に混ぜる

などして摂取するようにします。

しかしアレルギー用ミルクのみ摂取し続けるとビオチン不足になりますので、

やはり気を付けなければなりません。

 

ここで牛乳以外のアレルギー用食品は必要

無いと言っているのには理由があります。

本当に敏感な患者さんにとってアレルギー用食品の

安全性は決して高くはないのだそうです。

例えば通常の小麦パンよりも大量にグルテンが

使われている米パンが小麦アレルギー用パン

として売られていたり、高度製粉小麦粉という

たんぱく質・グルテン量ともに少ないというもの

が調べてみると通常の小麦粉の1.2倍の

グリアジン(小麦タンパクの主要なものの一つ)

が含まれていたりするというようなことは

しょっちゅうであるからだそうです。

それからあるアレルギー用食品は

添加物のかたまりであったり、

アレルギー物質をそれとは分からずに

使っている場合もあるということです。

一般的に値段も高く味も悪いことが多いです。

こういった商品でアレルギーが起こったという

話は多いそうです。

一方でこういったアレルギー用食品よりも、

一般スーパーでよく売られている食品の

アレルゲン表示を見て不使用となっているものを

選んで買う方が安全で安価で美味しいということです。

 

4. 調理で抗原性が無くなる食品と変わらない食品

同じ食品を同じ量使ってもその調理法や副材料

によって抗原性が変わってくる事がわかっています。

まず加熱調理で変わるものは卵・野菜・果物などです。

しかし例外も多いですので注意が必要です。

 

① 卵

  卵黄よりも卵白がアレルゲンとなっている場合

  がほとんどです。卵白の中で卵白アルブミンと

  オボムコイドというたんぱく質がアレルギーを

  主に引き落こしています。 

  普通に加熱した場合は卵白アルブミンが凝固して

  抗原性を大きく失いますが、オボムコイドはたとえ

  100℃で加熱しても凝固しないために抗原性は

  保たれたままなのです。ですが卵白を卵白アルブミンが

  加熱しても凝固しない程度に薄めて加熱してやると

  卵白アルブミンと同じくらい抗原性が低くなりました。

  それから小麦粉・米粉を使用した焼き菓子に含まれる

  卵白アルブミンの抗原性はオボムコイドと同じくらいか

  もしくはそれ以上残っていました。

  例えばたまごボーロ一個食べただけでもじんましんが

  出るといった場合がありますが、これは卵白アルブミンが

  一緒に使う片栗粉によって加熱されても凝固せず

  胃の中で溶けだしやすくなっているためであるそうです。

 

  一緒に調理する副材料によってオボムコイドが

  例えば小麦粉や米粉と固く結合して不溶化し

  抗原性が低くなるという例があります

  この時は卵白アルブミンとオボムコイドは同程度の

  抗原性を示すそうです。

  大きな焼き菓子でも抗原性が失われて

  いないということがあるのは、中心温度が

  100℃に十分な時間保たれていない

  という所にあります。

    

② 野菜・果物類  

  花粉症の人で野菜・果物アレルギーを

  口腔アレルギー症候群として起こすことが

  多いということです。

  野菜や果物は加熱すると抗原性が容易に

  失われるということが特徴です。

  ですが バナナ・もも は熱や消化に

  耐性がありますので注意が必要です。

  それから野菜・果物アレルギーと

  野菜・果物中の薬理活性物質による

  症状を区別しなくてはいけません。

  したがって薬理活性物質による症状を

  さけるためにたっぷりの塩水でゆでる

  などして基本通りの灰汁抜きをしなくてはなりません。

  

  卵・野菜・果物類以外は調理によってもあまり

  そのアレルゲン性が失われないことが多い

  のですが、それでも少しは良い場合や

  高圧調理でもってアレルゲン性が下がることも

  あります。

 

① 牛乳

  牛乳の主な抗原は二つあります。

  そのうちβ‐ラクトグロブリンは加熱すると不溶化

  しやすくなり、卵白アルブミンほどではないにせよ

  抗原性が低下しますが、もう一つの主な抗原で

  牛乳たんぱく質の80%を占めるカゼインは加熱しても

  ほとんど影響を受けません。

  たとえ100℃に保ってもです。

  加工食品に使われる場合にも抗原性はかわりません。

  ですので製造ラインに混入してくるごくわずかの乳が

  症状を引き起こすということもあります。

  軽度の牛乳アレルギーの人向けのペプチドミルク

  にはカゼインがほとんど含まれていないのに対し、

  β‐ラクトグロブリンは通常の乳児用調製粉乳

  の250分の一から300分の一くらい残っているので、

  やはり過敏な牛乳アレルギー児ですと症状が

  出るということがよくあります。

  ですがこのペプチドミルクは小麦粉パンに使用して

  β‐ラクトグロブリンの方だけがしっかりと

  低アレルゲン化されるので、ペプチドミルクが

  摂取できない子供でも問題なく食べれる場合が

  多いそうです。

   

② 小麦粉

  小麦粉は通常の加熱調理ではあまり低アレルゲン化

  できません。ですので調理過程での微量の混入にも

  気を付ける必要があります。

  小麦粉の代わりに片栗粉やコーンスターチを使って

  調理できますし、最近は米粉を代用にしてお菓子を

  作ることも多くなってきています。

 

③ 大豆 

  大豆は通常の加熱処理では何ら変わりません。

  それから成人の花粉症患者で豆乳を摂取したために、

  即時型反応が出る例が多いということに注意してください。

  豆乳はハンノキ花粉症患者さんで口腔アレルギー症候群

  になる人が最近見られます。

  ただし豆乳アレルギーでも豆腐では大丈夫だという

  のはにがりの凝固作用のために

  口腔内で吸収しにくいし、抗原性も変わるためだそうです。

  豆乳は子供でも直接摂取は注意してください。

  大豆も発酵によりそのアレルゲン性が下がる

  のですが、小麦ほどではないのでお醤油は使えない場合が

  あります。

  また納豆ですが、多くの場合は摂取可能なようです。  

  人によっては症状が出ます。しかし症状が出る場合も

  ねばねば成分によって吸収が遅れるため症状が出るのが

  遅くなることもあります。

 

④ 米

  ご飯で即時型反応を示すのはたんぱく質食品を

  摂らず、雑穀を食べていたという極めて偏った

  除去を行っていた人で見られたことがあるくらいです。

  非即時型反応例も含めたこういったアレルギーを持つ

  子供の多くは二度精米のお米なら大丈夫でした。  

  これでもダメなときは超高圧処理炊飯米(市販の低アレルゲン化米)

  や炊飯米がいいでしょう。しかしこういった

  低アレルゲン化米が必要な子供はまれで、

  むしろ成人の重症アトピー性皮膚炎患者に

  効果があった例があります。

 

⑤ 魚類

  魚は重要なたんぱく質源のみならず

  ビタミンDも豊富であるためなるべく

  必要最低限の除去で済むように

  気を付けます。

  それでも食べられる魚がない人の場合は

  干しシイタケやきくらげなどでビタミンDを

  補うようにするということです。

  青背の魚に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸

  はアレルギー炎症を鎮める作用を持つので、

  また白身の魚に比べてアレルギーが少ないので

  積極的に摂ることを勧めています。

  古い魚を食べることによって起こる症状では

  ヒスタミン中毒があり、これと魚の食物アレルギーとは

  区別する必要があります。

  たくさんの魚にアレルギー反応を起こす場合でも

  鰹節で取った出汁は使用可能なことが多いですし、

  また缶詰の魚も摂取可能なことが多いです。

  生の魚卵で即時型反応を起こす子供が多いです。

  

⑥ 甲殻類

  エビアレルギーの患者さんでは生だけがダメ、

  加熱してもダメ、一緒に加熱調理した野菜でも

  症状が出る時もあり個人差が大きいです。

  またエビアレルギーもちの人で約65%の人が

  カニアレルギーで、やく20%の人がイカやタコ

  などの軟体類に対して特異的IgE抗体が陽性

  でした。陽性だと必ずしも摂取時に症状を起こす

  とは限りませんが注意が必要になります。

  一度甲殻類アレルギーになると治らないことが多いです。

 

⑦ 肉類

  肉類でアレルギー症状を起こすことはまれです。

  ですが例えば牛肉アレルギーの患者さんが

  ヘム鉄の重要な摂取源である牛肉を除去する場合には

  ヘム鉄不足にならないように注意が必要です。

  牛乳アレルギーがあっても十分に加熱してあれば

  牛肉は食べることができます。  

 

5. 加工食品について

加工食品には特定原材料の記載の義務があります。

(卵・牛乳・小麦・そば・落花生・エビ・カニ が

 一定量以上《数μg/g以上》含まれている場合)

このほか表示を推奨している特定原材料に準ずるもの

(あわび・イカ・いくら・オレンジ・キウイフルーツ・牛肉

くるみ・鮭・さば・ゼラチン・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・

まつたけ・もも・やまいも・りんご)というのがありますが

これら以外は表示しなくてよいことになっていますし、

表示義務自体もあらかじめ容器包装されているもの

と缶や瓶に詰められた加工食品のみですし、

包装面積30cm²以下の小さいものは表示されません。

また乳糖は「乳」の特定加工食品に指定されています。

  

という内容でした。 正直自分でもこれを読み返すのかどうか

怪しいのですが、頭に入れるのには有効なのかもと思うので

した。 またこの本を読み返した方が早いですよね・・・。

あしたこそは社長のブログが更新されていますように。